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FXGTは2026年8月24日から、ECN ZERO口座の取引手数料を建玉時の一括徴収に変更しました。FXと暗号資産は総額不変、貴金属は往復5ドル→7ドルの実質値上げです。一次情報は8月20日に当サイトへ届いた告知メールです。件名が別の市場解説コラムのままになっており、見落とした利用者も多いはずなので、中身と実務への影響を整理します。
変更の中身 ― 値上げは貴金属だけ
| 資産クラス | 変更前(1ロットあたり) | 変更後(8月24日〜) | 総額 |
|---|---|---|---|
| FX(外国為替) | 片道3ドル×2回(往復6ドル) | 建玉時に6ドル一括 | 不変 |
| 貴金属 | 往復5ドル(片道2.5ドル) | 建玉時に7ドル一括 | +2ドル(+40%) |
| 暗号資産 | 往復0.04% | 建玉時に0.04%一括 | 不変 |
告知の説明は「取引開始時点で適用される手数料の全額を明確にすることで、透明性を高める」というものです。その説明自体は正しいのですが、同じ告知の中で貴金属だけ40%の値上げが行われています。公平に書くと、FXと暗号資産の利用者にとって支払総額は1円も変わりません。変わるのは徴収のタイミングと、口座の見え方です。
「建玉時一括」で実際に変わる3つのこと
① 建てた瞬間の含み損が深く見える
これまでは建玉時に片道分(FXなら3ドル)だけが計上され、残りは決済時でした。今後は建てた瞬間に往復分の6ドルが引かれます。エントリー直後の有効証拠金が、従来より片道分だけ低い状態から始まるということです。当サイトは8月にAXIORYの同方式(建玉時に往復分一括)を実測していますが、決済してみたら「損失945円のうち手数料が665円」という取引がありました。MT5の損益表示だけ見ていると値動きで負けたように見えて、実は手数料が主因ということが起きます。手数料はMT5の「commission」欄に別建てで出るので、損益の検算はそこを見てください。
② 維持率ぎりぎりの設計は建玉可能数が実質減る
証拠金維持率に余裕のない口座では、建玉と同時に引かれる金額が増える分、同じ残高で建てられるロット数がわずかに減ります。1ロット単位では3ドルの差ですが、ハイレバレッジで枚数を積む使い方では、強制決済までの距離が従来の想定より近くなります。
③ 決済時の手数料はゼロになる
出口では追加の手数料が発生しません。スキャルピングで「決済価格から手数料を引いて損益分岐を逆算する」計算は、入口で全部済んでいる分シンプルになります。これは素直に扱いやすい変更です。
往復6ドルは何pipsか ― ドル円レートで答えが変わる
手数料をスプレッドと比べるにはpips換算が要りますが、ここに多くの比較サイトが踏む罠があります。往復6ドルは、ユーロドルのようなドル建てペアでは0.6pipsです。しかしドル円では1pipの価値が1ロット1,000円(現在のレート159円台では約6.3ドル)なので、往復6ドル=約0.95pipsになります。「手数料0.6pips相当」とだけ書いてある比較表は、円絡みのペアでは1.5倍以上の過小評価です。この換算問題は実効コスト実測の記事で詳しく扱っています。
値上げされた貴金属も換算しておくと、ゴールド1ロット(100オンス)で往復7ドルは値幅0.07ドル分、0.1ドル=1pipの慣行なら0.7pips相当です(従来は0.5pips相当)。1日に何往復もする使い方では、回転数×0.2pipsが上乗せされる計算になります。
手数料部分だけの他社比較
参考までに、ECN型(低スプレッド+外付け手数料)口座の手数料部分だけを並べます。スプレッドを合わせた実効コストの比較は実測が必要なので、ここでは手数料の名目額だけです。
| 口座 | FX手数料(1ロット往復) | 徴収タイミング |
|---|---|---|
| FXGT ECN ZERO | 6ドル(ドル円で約0.95pips相当) | 建玉時一括(8月24日〜) |
| AXIORY ナノ/テラ | 6ドル(円建て口座では約950円と当サイト実測) | 建玉時一括 |
| XMTrading ゼロ口座 | 10ドル(片道5ドル・ドル円で約1.57pips相当) | 片道ずつ |
手数料の名目額だけならFXGTは値上げ後も安い部類です。ただし実効コストはスプレッドと合算して初めて意味を持ちます。ECN系の「手数料が安い=総コストが安い」とは限らない実例はExnessの手数料開示を検証した記事にも書きました。
【8月29日追記】スプレッド込みの実効コストを実測しました
当サイト保有のECN ZERO口座のMT5から、8月27〜28日の連続24時間分のティック(ドル円95,096件・ゴールド948,797件)を取得して測りました。
| 銘柄 | スプレッド中央値(実測) | 新手数料 | 実効コスト |
|---|---|---|---|
| ドル円 | 0.2pips(平均0.33・上位1%は5.0) | 往復6ドル≒0.95pips | 約1.15pips |
| ゴールド | 1.8pips(0.18ドル) | 往復7ドル=0.7pips | 2.5pips(旧手数料なら2.3) |
ドル円の実効約1.15pipsは、同社PRO口座(実測スプレッド1.30・手数料なし)より安く、XMのゼロ口座(実効1.67)よりも安い水準です。値上げされたゴールドも、手数料単体では+40%ですがスプレッド込みの実効コストでは約+9%の増加にとどまります。なおロールオーバー帯(日本時間の朝6〜7時ごろ)はドル円のスプレッドが6.4pipsまで広がるので、他社と同様この時間帯の売買は避けてください。主要業者との実効コスト比較は実測ランキング記事の表にも反映済みです。
ECN ZERO利用者の実務まとめ
- 変更は8月24日からすでに適用されています。24日以降の取引履歴のcommission欄で、建玉時に往復分が引かれていることを確認してください
- 維持率に余裕のない建玉運用をしている場合、エントリー直後の有効証拠金が従来より片道分低く始まる前提でサイズを見直してください
- 貴金属(ゴールド・シルバー)を高回転で取引している場合、1往復あたり2ドルの増額×回転数が新たなコストです。月間の取引回数から影響額を計算してから、口座を移すかを判断するのが順序です
- FX・暗号資産のみの利用者は、支払総額に変化はありません
手数料6ドル・建玉時一括になりました
FXGTはFXと暗号資産CFDを同じ口座で扱える数少ない業者で、ECN ZERO口座はその低スプレッド版です。今回の変更で手数料は建玉時の一括徴収になり、出口の計算はシンプルになりました。貴金属を高回転で取引する予定がある場合だけ、値上げ分(往復+2ドル)を先に計算に入れてください。
