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今週は月初の大型指標が続く「雇用統計ウィーク」です。今夜9月3日23時にISM非製造業、そして9月4日(金)21:30に米雇用統計が発表されます。この記事では「発表の初動に順張りで飛び乗る」という定番の作戦を、当サイトが過去56回分の雇用統計をティックデータで検証した数字とあわせて整理します。
今週の残り日程
- 9月3日(木) 21:30 新規失業保険申請件数/23:00 ISM非製造業景況指数
- 9月4日(金) 21:30 米雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均時給)
すでに今週は火曜にISM製造業、水曜にADP雇用統計が通過しています。金曜の雇用統計はFRBの金融政策判断に最も直結する指標で、今年は4〜8月に累計27兆円の円買い介入があってもドル円が159円台にいるという地合いの中での発表です。方向の予想はこの記事ではしません。書くのは、発表の瞬間に何が起きるかの実測データです。
「初動に順張り」は勝てるのか ― 過去56回の実測
雇用統計の定番の作戦に「発表直後の値動きの方向に飛び乗る」というものがあります。発表から数秒で数十pips動くことがあるので、直感的にはとても魅力的です。当サイトは2022年以降の雇用統計56回分を、実際の海外FX口座のティックデータ(1秒未満の値動きの記録)で検証しました。結果は次のとおりです。

- 小さい利幅(10〜20pips)で逃げる作戦は、集計したすべての設定でマイナスでした。初動のスプレッド拡大と、発表直後の上下の往復(行って来い)に食われます
- 唯一プラスが並んだのは「発表後に40pips以上動いたのを確認してから順張りし、利確50pipsまで我慢する」という区画で、平均+6.9pips/回でした
- ただしその区画も、1回ごとのばらつきが平均±37pipsと大きく、統計的には「偶然」とまだ区別できません。偶然でないと言い切るには約117回、つまりあと10年分の雇用統計が必要という計算になります
- 損益の形も非対称です。利確50pipsで上限が固定される一方、下は最悪−82.7pipsまで開いていました
参考までに、雇用統計に限らず「大きく動いたら順張り」を過去4年半・919回分の急変動で検証すると、平均はほぼゼロ(信頼区間−4.4〜+1.9pips)でした。「大きく動いた」という事実だけでは、その後の方向は当たらない。これが当サイトの検証が今のところ出している答えです。
ここで正直に付け加えると、「利確50pipsまで我慢する区画だけが全部プラス」という結果自体は本物のデータです。偶然かもしれないし、本物の癖かもしれない。それを確かめる作業は現在進行形で、金曜の発表もそのサンプルの1回になります。相場の検証とはそういう地道なものです。
発表の瞬間、業者側で起きること
作戦の是非より先に知っておくべきなのは、発表の前後で取引環境そのものが平常時と別物になることです。詳しくは指標前後に業者側で何が起きるかをまとめた記事に書きましたが、要点は3つです。
- スプレッドが平常の数倍に広がります。当サイトの実測では、普段0.2pips台の口座が指標の瞬間に3.5倍以上に開く例を確認しています
- レバレッジが自動で引き下げられる業者があります。現にVantageは今週8月31日〜9月4日のダイナミックレバレッジ適用(対象商品の一時的なレバレッジ引き下げ)をメールで告知しています。「建てられるはずのロットが建てられない」のは故障ではなく仕様です
- 逆指値(ストップ)は指定した価格で約定するとは限りません。急変時は滑ります。損切りを置いていても、想定より深い損失になりうる前提でロットを決めてください
金曜までの実務チェックリスト
- 発表をまたいで持ちたくない建玉は、金曜の日中のうちに整理する
- 残す建玉は証拠金維持率を確認する。発表直後の一瞬のヒゲでも強制ロスカットは執行されます
- 初動に参加するなら、スプレッドが落ち着くまでの数分を待ってからでも値幅は十分残っていることが多い、という当サイトの検証結果を思い出してください
- EA(自動売買)を動かしている人は、指標時刻の前後で停止するかをEAの設計に合わせて決めておく
雇用統計は月に一度の、相場が最も速く動く時間です。速い相場は資金を増やすチャンスであると同時に、準備していない口座から順に退場していく時間でもあります。参加するかどうかを含めて、発表の前に決めておく。それが実測データから言える一番確かなことです。
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